ゲーム中のラグ、速度表示だけではわからない原因を切り分ける
オンラインゲームをプレイしていて、キャラクターが突然ワープしたり、ボタンを押してから画面に反映されるまでにワンテンポ遅れたりする現象、いわゆる「ラグ」に悩まされている人は少なくありません。特にFPSや格闘ゲームといったリアルタイム性が求められるタイトルでは、一瞬の遅延が勝敗を大きく左右するため、通信環境への不満は切実です。
SoftBank Airは工事不要で手軽に導入できるホームルーターとして人気がありますが、ネット上では「ゲームには向かない」「ラグがひどい」といった声も散見されます。しかし、実際のところゲーム中のラグは回線そのものに原因があるとは限らず、宅内のWi-Fi環境や設置場所、時間帯による混雑など、さまざまな要因が複合的に絡み合っています。
ここで重要なのは、単に速度測定サイトで表示されるダウンロード速度だけを見て判断しないことです。オンラインゲームで本当に重要なのは、データの往復にかかる時間を示すPing値や、その変動幅であるジッター、そして通信の安定性です。いくら下り速度が速くても、Ping値が高かったり、パケットロスが発生していたりすると、快適なプレイは望めません。
この記事では、SoftBank Airをゲームで使う際に知っておきたい技術的な基礎知識から、実際に試せる改善策、契約前に確認すべき事項、そしてどうしてもラグが改善しない場合の乗り換え判断の基準までを詳しく解説します。
まず知っておきたい、オンラインゲームと通信品質の基本
ゲームで重視すべきは「速度」より「応答速度」と「安定性」
オンラインゲームを快適に遊ぶために、多くの人が真っ先に気にするのは通信速度(Mbps)です。しかし、実際にゲームプレイ中に送受信されるデータ量は意外に少なく、数Mbpsもあれば足りるケースがほとんどです。それよりもはるかに重要なのが、Ping値(レイテンシ)と呼ばれる応答速度と、その安定性です。
Ping値とは、自分の端末からゲームサーバーへデータが送られ、返事が戻ってくるまでの時間をミリ秒(ms)で表したものです。この数値が小さいほど、操作が即座にゲーム内に反映され、ストレスのないプレイが可能になります。一般的に、FPSや格闘ゲームではPing値が30ms以下であれば快適、50msを超えるとラグを感じ始め、100ms以上になるとまともな対戦は難しくなると言われています。
SoftBank Airはモバイル回線を利用したホームルーターであり、光回線に比べるとPing値が高くなる傾向があります。あるユーザーが実測したところによると、朝から夕方まではPing値が28~29ms程度で安定していたのに対し、夜間は下り速度が大幅に低下する一方でPing値自体は28ms前後を維持していたという報告もあります。これは、時間帯によって速度は落ちても、応答速度そのものは比較的安定しているケースがあることを示しています。
ただし、Ping値が同じでも、データの到着間隔がばらつくジッターが大きいと、画面がカクついたり、操作が飛び飛びになったりします。ゲームにおいては、このジッターの少なさも快適さを左右する重要な要素です。
モバイル回線特有の「NATタイプ」と「ポート開放」の問題
SoftBank Airに限らず、モバイル回線を使ったホームルーターには、NAT(ネットワークアドレス変換)という仕組みが使われています。これは、一つのグローバルIPアドレスを複数の端末で共有するための技術ですが、ゲーム機が他のプレイヤーと直接通信する際に障壁となることがあります。
特に、NATタイプが「厳格(Strict)」や「タイプ3」に分類される環境では、マッチングしにくい、ボイスチャットがつながらない、ゲームによってはオンラインプレイ自体が制限されるといった問題が発生します。SoftBank Airでは、ユーザー側でポート開放の設定を自由に行うことができないため、ゲームによってはこの点がネックになる可能性があります。
したがって、契約前に自分が遊びたいゲームがNATタイプの影響を受けやすいかどうかを調べておくことが、後悔を避けるための重要なステップになります。
SoftBank Airでゲームをする前に確認すべき契約条件と住居条件
エリアごとの速度差は想像以上に大きい
SoftBank Airは、最寄りの基地局から電波を受信してインターネットに接続する仕組みのため、住んでいる場所によって通信品質が大きく変わります。公式サイトには「住所別下り最大速度情報」というページが用意されており、郵便番号や住所を入力することで、そのエリアでの想定最大速度を確認できます。
この数値はあくまで理論上の最大値であり、実際の速度は建物の構造や周辺の電波状況によってさらに変動します。特に、鉄筋コンクリート造のマンションや、地下に住んでいる場合は電波が届きにくく、十分な速度が出ないことも珍しくありません。
契約前には必ずこのエリアチェックを行い、自分の住環境で十分な速度が期待できるかを見極めることが大切です。もし想定速度が低いエリアであれば、SoftBank Airでのゲームプレイは難しいと割り切る判断も必要になります。
利用時間帯による混雑と速度低下の実態
モバイル回線は、同じ基地局を多くのユーザーで共有するため、利用者が集中する夜間(おおむね20時~翌1時頃)になると通信速度が大幅に低下する傾向があります。ある実測データでは、昼間に85Mbps出ていた下り速度が、夜20時には8Mbps程度まで落ち込んだという報告もあります。
ゲームプレイそのものに必要な帯域はそれほど大きくないため、速度低下が直接ラグにつながるとは限りませんが、同時にパケットロスが増えたり、ジッターが大きくなったりすると、体感上のラグがひどくなります。特に、夜間にオンラインゲームをプレイする時間が長い人は、この混雑の影響を強く受ける可能性が高いです。
契約期間と解約金のリスクを把握する
SoftBank Airには契約期間が設定されており、期間途中で解約すると解約金が発生します。また、端末代金を分割で支払っている場合は、残債の一括請求が必要になることもあります。
「お試しで使ってみて、ダメならすぐに別の回線に変えよう」と思っていても、こうした金銭的な制約があるため、安易に契約してしまうと後悔につながりかねません。契約前には、最新の契約条件やキャンペーン内容を公式サイトで必ず確認し、万一解約する場合の費用をあらかじめ把握しておくことが重要です。
ラグを減らすために今すぐ試せる対処法
有線接続でWi-Fiの不安定さを排除する
ゲーム機とAirターミナルを無線(Wi-Fi)で接続している場合、まず試すべきなのが有線LANケーブルでの接続です。Wi-Fiは電波干渉や障害物の影響を受けやすく、同じ部屋に電子レンジやBluetooth機器があるだけでも通信が不安定になることがあります。
AirターミナルにはLANポートが搭載されているため、ゲーム機と直接ケーブルでつなぐことで、こうした無線特有の不安定要素を大幅に減らすことができます。特に、FPSや格闘ゲームをプレイする際には、有線接続が効果的な改善策になります。
Airターミナルの設置場所を見直す
ホームルーターは置き場所によって受信感度が大きく変わります。窓際で見通しの良い場所、かつ周囲に金属製の家具や家電が少ない場所が理想的です。また、床に直置きするよりも、棚の上など少し高い位置に設置した方が電波を捉えやすくなります。
実際に、部屋の隅から窓際に移動しただけで速度が改善したという声は多く聞かれます。Airターミナル本体のディスプレイや専用アプリで電波強度を確認しながら、最適な位置を探してみると良いでしょう。
最新機種への交換を検討する
SoftBank Airの端末は世代を重ねるごとに通信性能が向上しています。特に、新しい機種では5Gに対応していたり、Wi-Fi規格が新しくなっていたりするため、古い端末を使い続けている場合には交換するだけで改善する可能性があります。
記事執筆時点で確認できた範囲では、Airターミナル6が最新機種として提供されています。5G対応やWi-Fi 6対応など、通信の安定性や速度面で旧機種より優れているとされています。ただし、具体的なスペックや提供状況は公式サイトで最新情報を確認する必要があります。
ゲーム機側の設定やサーバー選択を見直す
ラグの原因が必ずしも回線側にあるとは限りません。ゲーム機の設定で省電力モードになっていないか、バックグラウンドでダウンロードが行われていないかなどもチェックしましょう。また、ゲーム内で接続するサーバーを手動で選択できるタイトルでは、物理的に近いサーバーを選ぶことでPing値を下げられる場合があります。
さらに、ルーターの再起動や、ゲーム機の再起動といった基本的なトラブルシューティングも、意外に効果があることがあります。これらはコストも時間もかからないため、まず試してみる価値があります。
それでも改善しないときの乗り換え判断基準
光回線への切り替えで根本解決を図る
上記の対処法をすべて試してもラグが改善しない場合、根本的な原因はモバイル回線の限界にあると考えられます。オンラインゲームをストレスなく楽しむためには、光回線への乗り換えが最も確実な解決策です。
光回線は物理的なケーブルで直接インターネットに接続するため、モバイル回線のような電波干渉や時間帯による混雑の影響をほとんど受けません。Ping値も低く安定しており、FPSや格闘ゲームを本格的にプレイしたい人にとっては、これ以上の選択肢はないと言っても過言ではありません。
特に、SoftBank Airを契約している人で、スマホもソフトバンクやワイモバイルを使っている場合は、SoftBank光に乗り換えることで「おうち割 光セット」を引き継げる可能性があります。グループ内の移行のため手続きも比較的スムーズで、割引が継続されるメリットもあります。
乗り換え前に確認すべき費用と手続き
光回線に乗り換える際には、いくつかのコストが発生します。まず、SoftBank Airの解約金や端末残債の清算が必要になるケースがあります。また、光回線の開通工事には費用がかかり、物件によっては大家や管理組合の許可が必要な場合もあります。
さらに、光回線の契約にもキャンペーンや割引が適用されることが多く、実質的な月額料金は表示価格より安くなることがあります。乗り換えを検討する際には、こうした初期費用とランニングコストの総額を比較し、長期的な視点で判断することが大切です。
どうしても工事ができない場合の代替案
賃貸住宅で光回線の工事が許可されない、あるいは引っ越しの予定があって工事をしたくないといった事情がある場合でも、選択肢は残されています。
他社のホームルーターの中には、よりゲームに適した設定が可能なものや、5Gの高速通信に対応したものがあります。ただし、これらもモバイル回線である以上、根本的な不安定さは完全には解消されません。また、ポケット型Wi-Fiはさらに通信品質が劣るため、ゲーム用途には推奨できません。
最終的には、自分のゲームプレイスタイルと住環境を冷静に見極め、許容できる範囲かどうかを判断する必要があります。
ゲームジャンル別・SoftBank Airの適性と限界
FPS・TPS系:反応速度が命のジャンルには厳しい
Apex LegendsやVALORANT、Call of DutyといったFPS(ファーストパーソン・シューティング)やTPS(サードパーソン・シューティング)は、一瞬のラグが勝敗を分けるため、通信品質への要求が最も厳しいジャンルです。
SoftBank Airでは、Ping値の高さやジッターの影響で、敵との撃ち合いで不利になる場面がどうしても発生します。また、NATタイプの問題でマッチングしにくい、ボイスチャットが途切れるといったトラブルも報告されています。公式に動作保証がされているわけではないため、これらのタイトルをメインに遊ぶのであれば、最初から光回線を選んだ方が無難です。
格闘ゲーム:フレーム単位のやり取りがシビアに影響
ストリートファイター6や大乱闘スマッシュブラザーズのような格闘ゲームも、通信遅延が直接操作性に影響します。特に、コマンド入力の正確性が求められるタイトルでは、わずかなラグがコンボ失敗やガード不能につながります。
あるユーザーの検証では、SoftBank Airでストリートファイター5をプレイした際、ステージによってラグの出やすさが異なり、トレーニングステージでは比較的安定していたという報告があります。しかし、ランクマッチではラグが発生しやすく、快適とは言い難い状況だったようです。
格闘ゲームを真剣に楽しみたいのであれば、SoftBank Airはあまりおすすめできません。
アクション・RPG・シミュレーション:比較的プレイしやすい
モンスターハンターや原神、あつまれ どうぶつの森といったアクションやRPG、シミュレーションゲームは、FPSや格闘ゲームほどシビアなリアルタイム性を要求されないため、SoftBank Airでも比較的ストレスなくプレイできることが多いです。
ただし、協力プレイ中にラグが発生して仲間に迷惑をかけたり、大規模なアップデートのダウンロードに時間がかかったりする点は留意が必要です。ライトなオンラインプレイが中心であれば、SoftBank Airでも十分に楽しめるでしょう。
スマホゲーム:気軽に遊ぶ分には大きな問題は少ない
スマートフォン向けのオンラインゲームは、そもそもモバイル回線でのプレイを前提に設計されていることが多く、SoftBank Airとの相性は比較的良好です。ただし、Wi-Fi接続であっても、自宅の電波状況が悪いとラグが発生するため、設置場所の最適化はやはり重要です。
後悔しないための事前チェックリスト
SoftBank Airをゲーム用途で契約する前に、以下のポイントを必ず確認しておきましょう。
- 公式サイトの「住所別下り最大速度情報」で、自宅エリアの想定速度を調べる
- 自分がよく遊ぶゲームの必要Ping値やNATタイプの影響を調べる
- ゲーム機を有線接続するためのLANケーブルの準備ができるか確認する
- 夜間の混雑時間帯にプレイする頻度が高いかどうかを考える
- 契約期間や解約金、端末代金の残債条件を公式サイトで確認する
- 賃貸住宅の場合、光回線の工事が可能かどうか事前に管理会社へ問い合わせる
これらの項目を一つずつクリアにしていくことで、「思っていたのと違った」という後悔を大幅に減らすことができます。
よくある疑問と回答
SoftBank AirでFPSは絶対に無理ですか?
絶対に無理と断言はできませんが、快適にプレイするのは難しいと考えたほうが良いです。Ping値やジッターの影響で、敵との撃ち合いで不利になる場面がどうしても発生します。カジュアルに遊ぶ分には我慢できるかもしれませんが、ランクマッチなど真剣勝負の場ではストレスが溜まる可能性が高いです。
夜だけラグがひどくなるのはなぜですか?
SoftBank Airが利用するモバイル回線は、同じ基地局を周辺のユーザーと共有しています。夜間はインターネットを利用する人が増えるため、回線が混雑し、速度低下やパケットロスが発生しやすくなります。これが夜だけラグがひどくなる主な原因です。
Airターミナルを最新機種に交換すれば改善しますか?
改善する可能性はあります。新しい機種は通信規格が新しくなっており、電波の捕捉能力や処理性能が向上しているためです。ただし、住んでいるエリアの電波状況が根本的に悪い場合は、機種変更だけでは解決しないこともあります。
解約金を払いたくないのですが、何か方法はありますか?
契約期間の更新月に解約すれば、解約金は発生しません。また、キャンペーンによっては解約金の負担を軽減する特典が用意されていることもあります。まずは自分の契約内容を確認し、更新月を調べることから始めましょう。
光回線以外でゲーム向きの選択肢はありますか?
他社の5G対応ホームルーターで、ゲームに最適化された設定が可能な機種も存在します。ただし、モバイル回線である以上、光回線の安定性には及びません。どうしても工事ができない場合の次善策として検討するのが現実的です。
まとめ:自分のプレイスタイルと環境で損をしない選択を
SoftBank Airは、工事不要ですぐにインターネットを使い始められる便利なサービスですが、オンラインゲームに最適化されているわけではありません。特に、リアルタイム性が重視される対戦ゲームでは、ラグや遅延がストレスの原因になりやすいです。
一方で、ゲームのジャンルによっては十分に楽しめるケースもあり、すべての人に合わないわけではないというのが実情です。重要なのは、自分のプレイスタイルや住環境、そして何より「どのレベルの快適さを求めるか」を明確にした上で、契約前の確認を徹底することです。
この記事で紹介したチェックポイントを活用し、後悔のない回線選びをしてください。もしすでに契約していてラグに悩んでいるのであれば、まずは有線接続や設置場所の見直しといった手軽な対策から始め、それでもダメなら乗り換えも視野に入れて検討することをおすすめします。
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この記事の作成・確認体制
- 作成: 回線侍編集部
- 最終更新日: 2026-06-17
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